天声人語の書き出し・結語【名文集】
『竹の美』
先日、京都の桂離宮を拝見して、あらためて竹というものの姿のよさに打たれた。冬の日だまりの中でさやさやと鳴る竹の群れは静寂そのものだし、表門につらなる穂垣(ほがき)のたたずまいには人の心をなごませるものがあった。
一ヘクタールの面積に七千本から一万五千本の真竹(まだけ)が生えていると、その地下茎(ちかけい)の長さは六万三千メートルから十八万七千メートルにも達する。これが、大地をしっかりとつかんで災害を防ぐ。一見、かぼそく見える竹は、じつはもっともたくましい植物の一つなのだ。
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